KTM RC8RセットアップVol.2
Vol.1で紹介した前後スプリング等の交換とインプレの紹介です。
基本は、ある雑誌のお勧めセッティングから始めました。
果たしてどう言う事になったのかご覧下さい。
まず最初にクレーンで車体を吊り上げてリアサスペンションの取り外しから始めます。
リアサスを外したら特殊工具を使てスプリングを取り外します。
外したスプリングと次に取り付けるスプリング、それと、スプリングを取り外したダンパーユニットです
ノーマルスプリング(95-160)とバネレートが違うスプリング(110-160)です。
ある雑誌で、リアのプリロードの調整が書いてあったので、検証がてらその数値で行きましょう。
この部品は、リアの車高調整用ロッド゙でエキセントリック構造になっています。
左が2011年モデル用、右が2010年以前のモデル用です。回転させると左の方が円周が大きいので、リアの車高調整の範囲大きくなります。
左の写真はナット側、右は裏側から撮った写真です円の大きさの違い解りますよね!
リアサスペンションの取り付けです、トルクレンチで確り固定します。
交換した車高調整用のロッドで2分の1回転車高を上げました。
今回の試乗用にパワーコマンダーで燃調補正をしました。
次はフロントのスプリング交換の為に、フロントアップして作業に取り掛かります。
フロントフォークを特殊工具使って分解、スプリングを入れ替えます。
上がノーマル、下がオプションのばねです。
ばねを入れ替える前に、フォークオイルの油面調整、その後スプリングを入れて組み立てます。
因みに、フォークオイルと油面高はノーマルと同じにしています。
タイヤを取り付ける前に、フロントフォークの突き出しも調整しました。
今回は、RC8のスペシャリスト鈴木大吾朗選手とサーキットで色々と話す機会が出来ました。
奥から、私と大吾朗選手、RC8オーナー谷口さん、お蔭様で2台のRC8でデータ取れました。
この写真は、どちらもスパ直入で色々とセッティングを試して走行した時のものです。
一般路とサーキット両方で試乗しました。サーキットでは、サス調整、前後車高調整等
色々試して、他のインストラクターの方(勿論、国際A級)にも試乗して頂きました。
ATSU的考察
基本一般路とサーキットは、サスペンションの調整は極端に違う事は解っていますが、雑誌等のサスペンション推奨セッティングの解説にどんなレベルのライダーなのか どんな所をどんな乗り方をするのかなんて、解説してい無いのが殆どではないですか?
例えば、一般道では、峠では、サーキットでは、位は分けてやって欲しいものですね。
今回の雑誌に載っていたサスセッティングは一般道でふつーに走るのならいいかも。
ただハイグリップタイヤを履いて、とことん峠を攻める方、サーキットに行ってスポーツ走行等で、レベルアップを考えている方は、絶対に止めた方が良いと思いました。
それは何故なのか、理由を説明をいたします。
BS誌の推奨セッティング(どんな所、どんな時、どんなレベル等、指定なし)ではスプリングの前後の、バネレートを上げダンパーを抜くセット内容でした。
サーキットでも軽く流す時は良いのですが、攻め込んでいくと コーナーの立ち上がりアクセルONで、リアタイヤが滑り出し加速できない状態になり、コーナーの立ち上がりで、怖くてアクセルを開ける事が出来なくなりました。
又、ブレーキングから倒し込みの一連の動作も不安定で、バネだけで走ってる感じです。
ダンピング不足でバネだけのサスの怖さを諸に体験することに成りました。
その後、ダンパー調整をKTMのレーストラック用のセッティングに変更したところ、相当良くなり怖い思いをする事も無くなりました。
スプリングだけを87モデルの硬いスプリングに変えても、ダンパーユニットは新しく変更されているので、基本スポーツ走行すのであれば89以降モデルは、スプリングはノーマルでセッティングした方がBESTだと思います(超高速コースなどでは硬いスプリングも有りかも!)
因みに現在のサーキッツト走行会(基本スパ直入が多い)などで走行する時のサスペンションセッティングは、89年モデルのノーマールスプリング前後、ダンパーはKTMレーストラックセッティングに近いところで調整、フロントの突き出し+10mm、リアは11年モデルの車高調ロッド半回転+で走っています。
まだまだセッティング中ですが、今のところ他のライダーの評価も良いですよ!
【まとめ】雑誌等の推奨セッティングは、乗る場所とアベレージスピードを考えて上手に利用しましょう。