新型モデル KTM 790 DUKEが入荷!
新設計の並列2気筒エンジンを搭載した話題のモデルが入荷しました!
遅ればせながら細かく解説していきます。
390 DUKE、1290 SUPER DUKE Rとの比較も!
KTM 790 DUKE
世界最大級のモーターサイクルショー、EICMA2016で革新的なプロトタイプが発表されてから注目を集め続けてきた、完全新設計のニューモデル「790 DUKE」がとうとう登場しました~!😆
DUKEシリーズには、単気筒エンジンを積んだ125 DUKE/250 DUKE/390 DUKE/690 DUKE(2018年から一時生産中止)と、V型2気筒エンジンを積んだ1290 SUPER DUKE R/GTがラインナップされており、それらをつなぐミドルクラスとして開発されたのが、KTM初の並列2気筒エンジンを積んだ790 DUKEです!
ライド・バイ・ワイヤ制御のスロットル、4パターン切り替えができるライドモード、アップ/ダウンで作動するクイックシフター、他にもトラクションコントロールやコーナリングABSなど、最新モデルらしい電子制御テンコ盛りな装備をまとっています。
新設計のスイングアームや新たに採用されたキャリパー、あえて伝統のトラスフレームとせずエンジンも荷重支持要素としたフレームなど、車体周りもしっかりと作り込まれた完成度が高いニューモデルです!
仕様
車両価格(税込) | 1,129,000円 |
---|---|
排気量 | 799cc |
エンジン型式 | 水冷 4ストローク DOHC 4バルブ 並列2気筒 |
最高出力 | 77kW(103hp)/9,000rpm |
最大トルク | 87Nm/8,000rpm |
重量(走行可能状態) | 187kg |
メーカーWebサイト
参考動画
公式プロモーションビデオ(プロトタイプ)
ケニー佐川氏による解説&インプレッション
海外の試乗会の様子(過激!)
詳細写真
ライディングポジション
足着き性
シート高は825mmで、他メーカーと比較すると少し高め。私(身長174cm)がまたがってみたところ、中足まで着く程度です🤔それでも軽量な車体と着座部前方が絞られたシート形状が相まって、思いのほか足着き時の安定感はありました。サイドスタンドの状態からまたがって垂直にするのも、800ccとは思えない程楽に起こすことができます。
ローダウンキット
KTMパワーパーツから、シート高25mmダウンのローダウンキットも販売されています。フロントフォーク内部のスペーサー、リアショックユニットのマウンティング、ショートサイドスタンドがセットになって、価格は38,229円(8月現在、別途工賃)です。800mmになれば体格問わず乗りやすくなりそうです!
走行ポジション
左が基本的なポジション、右がスポーツ走行時のポジション(着座位置とステップの足の位置を少し後退させています)。基本姿勢では、すっと体が届くクセがない自然なポジションになります。390 DUKEよりわずかに広くなったハンドルは、ミドルツーリングでも疲れ知らずの予感。かと思えばスポーツ姿勢のフィット感がこれまた気持ちいい!フラットでコシがある広いシートは体重移動が自由自在で、スポーティなライディングにも◎👍
他DUKEシリーズとの比較
恐らく多くの方が比較検討するであろう390 DUKE(以下390)、1290 SUPER DUKE R(以下1290)との数値的な比較をしていきます。3車種中特に優れている項目は下線にて強調しています。
概要
仕様項目 | 390 DUKE | 790 DUKE | 1290 SUPER DUKE R |
---|---|---|---|
価格(税込) | ¥620,000 | ¥1,129,000 | ¥1,999,000 |
カラー | オレンジ/ホワイト | オレンジ/ブラック | ホワイト |
メーカー保証期間 | 2年間 | 2年間 | 2年間 |
生産国 | インド | オーストリア | オーストリア |
価格の変化はおよそ排気量に比例していますね。790 DUKE(以下790)と同クラスの「ヤマハ MT-07」(688cc並列2気筒)が777,600円なので、約1.5倍の価格ですが、エンジン性能や装備されている最新の電子制御を踏まえると、決して高過ぎない妥当な価格だと思います。
カラーは2色展開でオレンジも選べます。オレンジと言っても、タンクは共通のガンメタで、390や1290の様にフレームがオレンジにはならなので、派手さよりはCOOLなカッコよさを感じる配色です!
生産はKTMの本国であるオーストリア。KTMでは390をボーダーラインに生産国を分けています。とは言ってもインド製が壊れやすいというわけではないのでご安心を😉(インドやタイランドのクオリティは年々増してきています!)
エンジン
仕様項目 | 390 DUKE | 790 DUKE | 1290 SUPER DUKE R |
---|---|---|---|
エンジン型式 | DOHC 4バルブ 単気筒 | DOHC 4バルブ 並列2気筒 | DOHC 4バルブ 75°V型2気筒 |
排気量 | 373cc | 799cc | 1,300cc |
最高出力 | 32kW(43hp) | 77kW(103hp) | 130kW(174hp) |
最大トルク | 36Nm | 87Nm | 141Nm |
スリッパ―クラッチ | ○ | ○ | ○ |
燃費 | 28.9km/L | 22.7km/L | 17.9km/L |
シリンダー配置は違えど、いずれもダブルカムシャフトで4バルブを駆動する高出力エンジン。
パワーウェイトレシオ(1馬力当たりの重量、小さい程加速性能に優れる)は、390が3.79kg/hp、790が1.81kg/hp、1290が1.24kg/hp。790を1とした時の比で表すと390が2.09、1290が0.68と、かなりの差があることが分かります。重量差が極端に開いていない3車種なのでパワーによる加速力の違いが顕著に出ていますね🧐
参考までにBMW S1000Rは1.26kg/hp、BMW S1000RRは1.06kg/hp、Ducati Panigale V4は0.93kg/hpです。
実際の走行性能はこの数字だけでは計れませんが、参考にしてみてください。
シャシー
仕様項目 | 390 DUKE | 790 DUKE | 1290 SUPER DUKE R |
---|---|---|---|
フロントサスペンション | WP製倒立フォーク Φ43mm | WP製倒立フォーク Φ43mm | WP製倒立フォーク Φ48mm |
サスペンションストローク (F/R) | 142/150mm | 140/150mm | 126/156mm |
タイヤサイズ(F/R) | 110/70-17 150/60-17 | 120/70-17 180/55-17 | 120/70-17 190/55-17 |
ホイールベース | 1,357±15.5mm | 1,475±15mm | 1,482±15mm |
キャスター角 | 65° | 66° | 65.1° |
最低地上高 | 185mm | 186mm | 141mm |
シート高 | 830mm | 825mm | 835mm |
燃料タンク容量 | 13.4L | 14L | 18L |
重量 (燃料・油脂含む) | 163kg | 187kg | 217kg |
幅が抑えられスリムな車体ですが、実は1290並みのホイールベースを持ち、100馬力のパワーに負けない走行安定性も確保されています。
WP製のサスペンションは構造を390と同等としながらも、スプリングなどのチューニングで790向けに最適化。
リアタイヤのサイズは、690 DUKEの160/60よりひと回り大きな180/55を採用し、コーナリング時の安定性&グリップを高めています。
シート高はわずかな差ながら、3車種中最も低い825mm。しかしシート形状の前方が細くなっていることで、1290とは明らかに足着き性が違います🙄
装備
△…オプション装備
仕様項目 | 390 DUKE | 790 DUKE | 1290 SUPER DUKE R |
---|---|---|---|
パワーモード | × | 4モード | 4モード(△ 内1モードはオプション) |
トラクションコントロール | × | ○ | ○ |
コーナリングABS | × | ○ | ○ |
クルーズコントロール | × | × | ○ |
クイックシフター | × | ○ | △ |
フルカラーメーター | ○ | ○ | ○ |
MY RIDE (スマホの着信等を表示) | △ | △ | △ |
クルーズコントロール以外は1290と同等の電子制御を備えており、さらに素晴らしいのは、これらがオプションではなく標準装備ということ!1290で全ての電子制御を有効にするには、「トラックパック」と「パフォーマンスパック」、合計119,249円分のオプションを追加する必要があるので、実質的な価格差は車両価格以上にお得です😆
乗ってみての感想
少しだけ乗ってみました!コースは、市街地と峠道が混ざったいつもの通勤路。プライベートで乗っている1290との比較です。
まずまたがって感じるのは、引き起こした時の車体の軽さ!1290に対して30kg減の187kgなのですが、それに加えてに重心が低いことがすぐに感じ取れます。
エンジンを始動すると1290を少し大人しくしたような、でも1290によく似たエキゾーストサウンドを奏でます。並列2気筒でありながら1290のV型2気筒と同じ燃焼間隔となるよう75度位相クランクに設計されたことで、音だけ聞くとさながらV型2気筒のようです。
走り出しは力強くとてもスムーズ。高回転へのトルクの伸びもあり、峠道の立ち上がりでも気持ちよく加速していきます。1290と比べると、アクセルを多めに開けた時の「体が置いて行かれるような加速感」は少ないですが(そりゃそーだ)、ワインディングでは遜色ない走行性能を感じました。むしろ、軽い車体で切り替えしも軽やかなので、コースによっては1290に勝るコーナリングを楽しめそうです。
ジェイファン社製ブレーキも必要十分な性能。レバー操作にリニアなブレーキングでストリートでとても扱いやすいです。
クイックシフターはとにかくスムーズ!アップもダウンも、大抵の回転数でギクシャクすることなく軽いタッチでスコッと入ります。これがとにかく気持ちいい。街乗りでは走り出しからトンッ、トンッと早めにシフトアップして巡航速度まで一気に加速できます。ツーリングで高回転域まで引っ張ってシフトアップする時にも、シフトアップ後の不安定な挙動は感じませんでした。
全体としては、とにかく扱いやすくパワーもあるので、初心者の大型エントリーモデルからベテランライダーの遊びバイクまで、幅広くおすすめできる一台だと感じました。こいつ、完成度高いです!😍
KTMにネガな印象を持っている方も、きっと目から鱗が落ちますよ!