Supersportでロングツーリングに行ってみた
ドゥカティが送り出した話題の「スーパースポーツ」で、阿蘇までロングツーリングに行ってきました。
ツーリングバイクとしての魅力をインプレッションします。


Ducati Supersportとは?
今年新たに登場した937ccのスポーツツーリングモデルです。真っ赤なフルカウルのボディ、特徴的なフェイスは、ドゥカティのフラッグシップモデル「パニガーレ」を彷彿させますが、中身はというと、アップライトなハンドルポジション、ビギナーでも扱いやすい中低速重視のエンジンといった、まさにスポーツツーリングにピッタリなバイクなのです👍
ドゥカティはよく、一般的なカテゴリー名をそのまま車名に使うことが多いので正直紛らわしいのですが(笑)、「スーパースポーツ」というのが車名です。往年のドゥカティ好きの方には昔から馴染みのある名前ですね。
車両価格は、通常バージョンが1,629,000円。そして、オーリンズ製フルアジャスタブル・フロントサスペンション、オーリンズ製フルアジャスタブル・モノショック、ドゥカティ・クイック・シフト(シフトアップ/ダウン)が装備されたSバージョン(Supersport S)が1,809,000円と、スーパーバイクシリーズに比べて低く抑えられているのも魅力です。
詳しい車両紹介や足着き性については、以前の記事をご覧ください。
新型モデル Ducati Supersport Sが入荷!
インプレッション
今月開催したイベント、阿蘇ツーリングにこのスーパースポーツSで参加し、街中、ワインディングストリート、高速道路と、色々な道が入り混じった約350kmを走行してきました。その中で感じたことをインプレッションとして紹介します!
ちなみにライダーは、わたくし竹田(29歳独身)👨🏾🔧プライベートマシンはネイキッドバイクで、スーパースポーツの類での長距離は初めてです。
ライディングポジション

まずはポジションから。シート上の腰と同じぐらいの高さに位置する高めのハンドルは、セパレートハンドルながらも特にきつくなく、またがった時に自然に手を添えることができるポジションです。ハンドルの絞り&垂れ角も同様にしっくりきます😌
今回長距離を走っても背中や腰に負担を感じることがほとんどなかったのは、ステップ位置も含めて絶妙なライディングポジション・トライアングル(シート、ハンドル、ステップをつないだ三角形)に設計されているおかげのようです。「普段乗るネイキッドに比べて前傾姿勢が辛いのでは…」というのは取り越し苦労でした。
ただし、街中での低速走行、ストップ&ゴーの繰り返しでは、さすがに腕が疲れてくるので、そこはスポーツバイクとして割り切ることも必要ですね😕

ニーグリップした時のヒザの所に、丁度フレーム後端のゴムが当たるようになっています。これがブレーキング時などのストッパーの役割を担っているのですが、最初の内はヒザのどこを当てればいいのか分からず、しっくりくるポジションを見つけるのに時間がかかってしまいました~。モモが当たる部分がフラットなので、しっかりニーグリップするにはヒザの位置がとても重要ですね🤔要領が分かってからは、コーナリングでも安定したポジションをキープできるようになりました。おしりを意識的にシート後方にずらした位置が、私の体形(身長174cm)には丁度いいようです。
長時間ヒザを当てているとちょっと痛くなることがあるので、ヒザカップ付きか厚手のパンツを穿くことをオススメします。
機能性
ディスプレイ

近年増えて来ているフルカラー液晶とはいかないものの、多機能なLCDディスプレイを採用しており、日差しの下でもハッキリと視認できました。情報表示切り替えやモード切り替えは、左ハンドルスイッチだけで操作でき、操作性も良好です。さらに、後述のドゥカティマルチメディアシステムをオプションで追加すれば、Bluetooth接続したスマートフォンへの着信や音楽の状態を表示させることも可能。
左下には、オドメーター、トリップメーター×2系統、レンジ(残りの走行可能距離)、トリップタイム(走行時間)、時計。右下には、瞬間燃費、平均燃費、平均スピード、水温、外気温を表示できます。レンジ表示ができるので長距離でも心強いですね!もちろん燃料計もあるのですが、あと何km走れるか具体的に分かるのは、ガソリンスタンドに寄る目安が付けやすいのですごく便利でした🤗
ライディングモード
走行中でもスイッチひとつで切り替えができる、3つのライディングモードを備えています。これにより、「スロットル操作に対するエンジンのレスポンス(3段階)」、「トラクションコントロールの介入度(6段階)」、「ABSの介入度(3段階)」の3要素が、モード別にプリセットされている段階に瞬時に切り替わります。細かいことを考えずに3つから選べるのは、わかりやすくてGOODですね👍
下記写真のディスプレイ左側に表示されている「DTC」というのがトラクションコントロール(以下トラコン)、その下がABSの介入度です。
URBAN:「市街地」という意味のアーバンモード。ABSもトラコンも最大限に作動するので、路面を選ばず安全&安心に走行できます。レスポンスが穏やかなので景色を楽しみながらまったり走りたい時にも最適です。 TOURING:ツーリングモード。ABSはそのままでトラコンの作動を少し抑えています。トラコンが効きすぎるとコーナリング立ち上がりなどで加速が鈍くことがあるので、URBANよりも走りを意識したモードということですね。レスポンスは後述のSPORTとURBANの中間です。 SPORT:スポーツモード。軽快に吹け上がるエンジンは、前述の2モードとは明らかに別格の加速を楽しませてくれます!ワインディングでは間違いなくこのモードですね。高速道路での追い越しでも、必要な加速力を瞬時に発揮してくれました。ABS、トラコンは共に、3モード中最弱に抑えてありますが、ワインディングで不安に感じることはなかったです。
クイックシフト(DQS)
近年採用車種が増えている人気装備で、クラッチを使わずにシフトアップ&ダウンができます。DQSはドゥカティ・クイック・シフトの略で、BMWではギアシフトアシストという名称ですね。これに関しては…もうメリットしかないです。なにせ発進停止以外では、ほぼクラッチを握る必要がありません。
スピードに乗ってスポーティに走りたい時にはもちろんのこと、ロングツーリングでの疲労軽減にも大きな効果がありました!シフトダウン時のブリッピングも電子制御にて自動で最適化されるのは驚きですよ~😮標準バージョンにもオプション装備可能なのでぜひ♪
可変ウィンドスクリーン
手動で可変できるスクリーンを装備しています。少し力が必要なので走行中の切り替えは難しそう。降車時に前方に立って切り替えるのが一番スムーズです。
高速道路走行時に両方試したみたところ、標準位置では口から上に広く当たっていた風が、アップ位置では目元ぐらいまで当たらなくなりました。これだけでも長距離となると首の疲労感がかなり抑えられます!より高い防風性能が欲しい場合には、純正オプションのツーリングスクリーンも用意されていますよ。
積載性
ロングツーリングとなると忘れてはならないのが積載性ですよね。シート下の収納はほぼゼロなので、シートバッグやタンクバッグがいかに取り付けやすいかがポイントです。今回装着したのは、15~23リットル可変容量のMotoFizz製「ツアラーシートバッグ」(¥12,960)。ツーリングでは、レインスーツやペットボトル、お土産なんかを積むこともあるのでツーリングの必須装備です。
その他
股下の熱
ドゥカティLツインでよく言われるウィークポイントといえば、「股下の熱」ですよね😨特にスーパーバイクの類にお乗りのオーナー様は、皆さん厚手のレザーパンツや断熱材などでの対策にひと苦労されているようです。その点このスーパースポーツは、後方シリンダーから出るエキゾーストパイプの取り回しと、高回転域を多用しないでも走りやすいエンジン特性などにより、股下に上昇してくる熱がかなり抑えられています。
今回出発した朝6時、気温21℃の中では、全く意識が必要ない温度でした。さらに、日中気温25℃でワインディングを気持ちいいペースで走ってみても「熱い!」と感じる事はありませんでしたよ!真夏は、どのバイクでも熱い&暑いので目をつぶりましょう(笑)😜
燃費
今回の平均燃費は約18km/L。全体の半分以上をSPORTモードで走り、高速道路も使ったことを踏まえると、悪くはない…いや、むしろ省燃費な方だと思います!例えばBMW R1200GSなら軽~く20km/Lは越えますが、このスポーツ性を考えれば優秀でしょう。燃料タンクが16リットルなので、一回の給油で300km弱は走行できそうです。
タイヤ
タイヤは、ピレリのディアブロ ロッソⅢ 180/55サイズを採用。軽いハンドリングとグリップ力のバランスが、スーパースポーツのキャラクターにマッチしていますね。切り替えしに特有のクセなどもなく、コーナリングで一気にトラクションをかけてもしっかりグリップしているのを体感できるレベルでした。これはおすすめのタイヤです!
ツーリング向け純正オプション
最後に、ドゥカティが用意しているパフォーマンスパーツ(純正オプション)から、ツーリングに最適なパーツを紹介します。
※価格は税込み価格で、工賃等は含みません。
サイドバッグ ¥163,706

スーパースポーツ専用デザインのセミハードタイプのバッグ。容量は片側25ℓでヘルメットも収納可能です。ツーリング仕様にするならぜひとも欲しい装備ですね!
スモークツーリングウィンドスクリーン ¥23,468
ツーリングにおける防風性能を追求した形状で、高速走行の快適性が著しく向上します。
プラグ&プレイ式ヒートグリップ ¥40,025
3段階に温度調整できる冬の必需品。作動状態をディスプレイに表示できるのは純正ならでは!
コンフォートシート ¥36,202
ロングツーリングにぴったり!高密度スポンジと表皮には滑り止め効果と対候性に優れた素材を使用しています。
ドゥカティマルチメディアシステム ¥35,478
スマホ、ドゥカティ衛星ナビゲーター、ドゥカティヘッドセット(ライダー用、パッセンジャー用)をBluetooth接続して、着信や音楽再生の状態をディスプレイに表示できます。
「フルカウルはカッコいいけど疲れるのはちょっと…」
「ツーリングからサーキットまでマルチに楽しみたい!」
そんな方に特におすすめのマシンです♪
試乗車をご用意しているので、ぜひ実際に
この「ちょうどいい」バランスを体感してみてくださいね!